ハーバード大学ビジネススクール(HBS)をはじめとする米経営大学院のトップ校が、入学志願者の急激な減少に見舞われている。過熱する雇用市場や経営学修士号(MBA)取得にかかるコストを理由に、MBAを目指すはずの者が仕事を続け、出願しなくなったことが背景にある。全米トップと広く認知されるHBSを擁するハーバード大では、MBA出願者数が15%余り落ち込んだ。ペンシルベニア大学のウォートンスクールでは13%余り減少。イエール大学スクール・オブ・マネジメントのほか、シカゴ大学やニューヨーク大学のビジネススクールでも2024年度クラス出願者の減少幅が10%以上に達した。一方、実際に出願した者にはこれが有利に働いている。イエール大学では2024年度クラスの入学志願者が3237人にとどまり、前年より16%以上少なかったと、入試担当の学部長補佐であるローレル・グロッドマン氏は言う。同氏は志願者減少の理由として、ひっ迫する雇用市場や、より期間が短い修士課程への関心の高さを挙げた。