農作業中の姿Photo:Joe Raedle/gettyimages

農林水産省は2022年度から新規就農者の支援制度を拡張する。就農から5年の間に最大で690万円を交付する現行制度を改め、初期投資に使うのを念頭に最大1000万円を補助する新制度を導入。支援金の増額は新規就農者にとって恩恵だが、農業経営を途中で諦めると多額の負債を抱えることになりかねない。連載『農業 大予測』の#7では、農業をビジネスとして成功させるのに必要な「農地」「投資額」「営農スタイル」の選び方をお伝えする。(マイファーム代表取締役 西辻一真)

農地を選ぶときにまず気を付けてほしい
“土、水、日当たり”の状態

 耕作放棄地を減らす活動を行うマイファームだが、新規就農希望者には必ず「耕作放棄地は選んではいけない」と伝えている。耕作放棄地というのは、条件が悪くて、それまでの農家が十分な収穫を得られないのでやめている場所だ。

 行政から「ここ空いてますよ」という形で候補地として出てくるが、そこに新規で始めるというのは、「超田舎のシャッター商店街でラーメン屋さん出しましょう」と言っているような話だ。それは、やってはいけない。逆にそれでも耕作放棄地でやりたい人はどういう人かというと、変人なんだと思う。スタンダードでオーソドックスな手法で農業をやるのであれば、耕作放棄地は選んではいけない。

 次ページでは、農地を選ぶときの基準など、新規就農のポイントをお伝えする。