日本はミサイル防衛で守りに徹するだけでは不十分だとの考えに傾きつつある。ここにきて攻めの姿勢も視野に入れ始めた。北朝鮮は日本上空にミサイルを飛ばすことで、隣国を脅かしうる存在であることを改めて浮き彫りにした。だが、軍事専門家は北朝鮮のミサイル迎撃能力は限られると指摘する。このぜい弱さこそが、日本政府が12月に公表を予定している新たな防衛戦略で方針転換を促す重要なテーマになっている。自民党の佐藤正久外交部会長は「北朝鮮はミサイル防衛に限界があるので、(日本が)反撃能力を持ったほうが抑止力になる」と話す。北朝鮮が4日発射した弾道ミサイルは、日本北部の上空を通過し、太平洋沖に落下した。日本列島の上空を通過するのは2017年以来だ。周辺地域では全国瞬時警報システム(Jアラート)が携帯電話に送信され、鉄道各社が一時運転を見合わせるなど、朝から混乱が広がった。