リズ・トラス英首相は14日、クワジ・クワーテング財務相を更迭し、減税案の柱となる一部を撤回した。景気押し上げを狙ったトラス氏の政策は金融市場と与党・保守党の反発を招いて破綻が鮮明となり、就任間もない同氏にとって大きな痛手となった。クワーテング氏は3週間前、1970年代以来となる大規模な減税案を打ち出していた。ただ、市場では原資確保に向けた借り入れ規模に対する懸念が強まったほか、議員らは公的支出が大幅に削減されることに抵抗を示した。クワーテング氏はトラス氏から辞任を求められた。クワーテング氏は財務相として英史上2番目に短い在任期間となった。後任にはジェレミー・ハント元外相が就任する。トラス氏は党内での求心力維持を狙い、法人税引き上げを凍結する方針を撤回した。ジョンソン前政権は財政再建の一環として、来年4月に法人税を19%から25%に引き上げる計画を打ち出していた。トラス氏は既に所得税の最高税率引き下げ案を撤回しており、減税案の柱を巡り方針転換するのは2度目となる。
トラス英首相、財務相を更迭 減税巡り再び方針転換
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