ウクライナ侵攻で苦戦しているロシア軍は、調整不足から兵士の士気低下に至るまでさまざまな問題に直面している。だが、西側の軍事関係者によると、戦争の初期にウクライナの制空権を掌握できなかったことが致命的な要因となり、これがあらゆる面に影を落としロシアの劣勢要因となっている。
制空権を掌握できないため、ロシアは、米国からウクライナに供与された高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」などの武器によるウクライナ側の攻撃を止めることができずにいる。ウクライナ軍は、ロシア軍の限られた対応能力に乗じ、先月初めから数百平方マイルの領土を奪還してきた。
ロシアは最近、優勢なウクライナ軍に対抗するため、ミサイルやドローンを使って民間人を標的に死傷者を出す攻撃を行っている。しかし、こうした攻撃でさえも、ロシア側の航空戦略の弱点を示すものと西側の軍事アナリストは指摘する。撃墜されるのを恐れて操縦する航空機ではなく、遠隔操作の無人機などに頼らざるを得ないことを示すものだという。