ジェレミー・ハント英財務相は17日、政府が先月打ち出した減税案のほぼ全てを撤回することを明らかにした。財政の安定性を巡る市場の懸念を和らげる狙いだ。既に撤回していた減税措置と合わせると、国庫に入る資金が年320億ポンド(約5兆4000億円)増える見通しだ。2年間実施する予定だった冬季の光熱費支援策については絞り込む方針を示し、「目下、わが国の最も重要な目標は安定性だ」と語った。14日に更迭されたクワジ・クワーテング前財務相の後任として就任したハント氏は、リズ・トラス首相の肝いりで先月発表された政府の一連の減税措置をほぼ完全に取り下げた。金融市場に安心感を与え、資金調達コストを引き下げてイングランド銀行(英中央銀行)への利上げ圧力を和らげようとする動きだ。政府は法人減税と高所得層への減税の2つの案を既に撤回していた。