――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  中国の習近平国家主席はついに大舞台を迎えた。開催中の第20回党大会で3期目続投が決まる見通しだ。だが習氏は無分別な「自立自強」を追求するあまり、世界首位の経済大国になるチャンスを浪費する恐れがある。それは歴史的な過ちとなりかねない。  習氏の主要な成果はいくつか挙げられる。第一に、中国の一人当たり国民所得が2021年に1万2550ドル(約187万円)を超え、習氏がトップに就任した2012年の約2倍に達した。世界銀行が定義する「高所得国」の下限ぎりぎりに迫る水準だ。