【ハリコフ(ウクライナ)】今年3月初旬、ロシアのミサイルがワシル・イワンチュク神父の教会を襲った。ステンドグラスは粉砕され、壁には多数の金属片が突き刺さり、黄金の燭台(しょくだい)が破壊された。  ワシル神父は損壊した教会の写真を兄のヨシフ氏に送り、ロシアの攻撃を強く非難した。ヨシフ氏はモスクワ近郊にある教会区の神父だ。  ヨシフ氏はワシル氏に電話をかけて、なぜそれがウクライナ人ではなく、ロシア人の仕業だと分かるのか尋ねた。  「これが戦争というものだ」と彼は述べた。  ワシル氏は電話を切って、泣き始めた。それから2カ月間、兄とは話していない。