北朝鮮がミサイルを日本の上空に発射し、兵器開発の進歩を主張し、米国や韓国、日本の敵対者を威嚇するのは、外部の世界にとっておなじみの光景だ。しかし、このならず者国家の内部では、そうした出来事が過去とは大きく異なる形で描かれている。北朝鮮の指導者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記(38)は、2021年のミサイル発射実験には一切姿を見せず、今年も多くの現場に現れていない。最近の多くの実験のニュースは、朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」の中面に掲載されている。中には全く記事になっていないものもある。これまでは、ほぼ全てのミサイル発射実験について国営メディアが報じていた。正恩氏が立ち会った際には、新聞の一面や国営放送で取り上げられることが多かった。