米国の歴代指導者はかつて、中国の繁栄を望んでいた。2002年のジョージ・W・ブッシュ大統領の言葉を借りれば「力強く、平和で豊かな」中国を、そして2009年のバラク・オバマ大統領は「力強く、豊かで成功した」中国への期待を示した。だが、時代は変化した。米国はここ10年で、中国をパートナーではなく、競争相手としてとらえるようになった。世界経済および戦略地政学的な秩序を支配する覇者の座を、中国が米国から奪おうと躍起になっているとの考えに至ったためだ。これに伴い、2つの気掛かりな影響が想定される。まずは米国の立場として、中国が貧しくなることは望んでいないにしても、豊かになることをもはや支持していないという点だ。中国が豊かになれば、それだけ競争相手としては手ごわさを増す。
習氏の3期目続投、米国に利するかもしれない理由
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