中国軍は、習近平国家主席の体制下で、米国に対する真の競争相手として浮上している。
中国人民解放軍(PLA)は現在、ほとんどの防衛網をかいくぐる極超音速ミサイルを保有しているが、米国では、この技術はまだ開発段階にある。PLAの攻撃用ドローンは、群がって通信ネットワークの機能を停止させることができる。中国海軍の艦艇数は米国を上回り、今年夏には3隻目の空母が進水した。これは中国が初めて独自に設計・建造した空母だ。中国には米国に次いで世界で2番目の規模の国防予算がある。中国軍は約200万人の兵士を抱え、その数は米軍の140万人弱を上回る。
習氏にとっての問題は、こうした戦力を持つPLAの戦闘準備が整っているかどうかだ。同氏はこの問題を公の場で提起している。
中国は、1979年にベトナムとの間で起きた国境をめぐる短期戦以来、戦争を行っていない。過去20年間のほとんどをイラクやアフガニスタンでの戦争に費やしてきた米軍の兵士とは異なり、中国兵には戦闘経験が事実上なく、一部の中国指導者はこれを「平和の病」と呼んでいる。実戦以外の解決策を見つけることは習氏にとって優先事項であり、同氏が米国と対決する可能性に備えた態勢構築に努めている中では特にそうだ。
習氏は16日、5年に1度開催される共産党大会の冒頭で、「われわれは軍事訓練と準備を包括的に強化し、軍が勝利を収める能力を向上させなければならない」と述べた。