多くのビジネスパーソンから、「会議がうまく仕切れない」「無駄な会議だと言われる」「何度も似たような会議を繰り返してしまう」「結論が出ない」といった悩みを耳にする。しかし、「1ページ」のメモを事前に作り、その場で配布してうまく活用すれば、会議の進行は大きく変わる。何より、「1ページ」の力は、ミーティングをうまく仕切れなかった著者自身が、P&G、楽天、フェイスブック、MOON-Xと業界も会社も、自分の役割さえも変わっても、一貫して変わらず、実感し続けている。当連載では、『今すぐ結果が出る 1ページ思考』(長谷川晋)にまとめられている「1ページ」を活用した会議の進め方などを解説していきたい。

【学びの魔法】学んだこと3つを「1ページ」にまとめる必殺の習慣Photo: Adobe Stock

学んだことをチームで共有すれば財産になる

「1ページ」は学びの蓄積にも活用ができます。P&G時代、私とチームのメンバーが各自作っていたのが、3ヶ月に一度、自分の学びをまとめる「1ページ」でした。改めて作るとすれば、どんなものになるのか考えた「1ページ」がこちらの例です。

 どんな領域で、どんなことを学んだか。学んだ背景や文脈は? それに基づいてどう行動を変えていくか。このような内容を表を使ってまとめています。

 また、その下に、必須ではありませんが、参考情報として3ヶ月の間に読んだ本の感想も入れます。本を読むことからの学びも大きいからです。

【学びの魔法】学んだこと3つを「1ページ」にまとめる必殺の習慣
【学びの魔法】学んだこと3つを「1ページ」にまとめる必殺の習慣長谷川晋(はせがわ・しん)
MOON-X Co-Founder/CEO
2歳から9歳までアメリカ、シアトルで育つ。京都大学経済学部卒、体育会ハンドボール部主将。2000年に東京海上火災入社、法人営業担当。P&Gで10年間、Pampers・Gillette・BRAUN・SK-IIなどのマーケティングおよびマネジメントを統括。その後、楽天の上級執行役員としてグローバルおよび国内グループ全体のマーケティングを管掌。2015年Facebook Japanの代表取締役に就任、在任中にInstagramの国内月間ユーザー数は810万から3300万に。2019年8月に「ブランドと人の発射台」をミッションに掲げるMOON-X Inc.を創業。現在、自社D2Cブランドを展開すると同時に、共創型M&Aや他社ブランドの支援も展開中。『今すぐ結果がでる 1ページ思考』(ダイヤモンド社)が初の著書。MOON-Xコーポレートサイト:https://www.moon-x.com/ Twitterでは次世代ビジネスリーダー向けに「#ビジネスの戦闘力」を高める情報を発信中:@ShinHasegawa8

 ポイントは、3つだけと決めていることです。3というのはマジックナンバーといってもいいと思います。ちょうど、按配がいい。いろいろな場で、意識している数字です。

 そして、さらなるポイントは、表になっていること。表はやはり、考えや情報を整理するのに、大きな効果を発揮します。これを全員統一のフォーマットにして活用する。

 しかも、チーム全員でそれぞれの「1ページ」を発表する場を設けます。そうすることで、自分の学びを咀嚼することができるし、お互いの学びを共有することで刺激し合えるからです。

 それこそ3ヶ月も一生懸命働いているのに、3つ胸を張って発表できる学びがない、というのはちょっと残念だし恥ずかしい、というポジティブな緊張感のある空気をチームで醸成することも意図の一つでした。

 横書きにしているのは、表の収まりがいいからです。このような内容の場合は、キーワードだけでなく文章を書く部分も多いので、横のほうがしっくりきます。

 実は3つの学びの「1ページ」は、P&G時代に自分のチームに導入したのですが、私はメンバー全員分をファイリングしていました。そして、メンバーが異動するときや、私が異動するとき、ファイリングしていた過去の「1ページ」の束を出してきて、記念に渡していました。こんなに成長したのだから、この先も頑張ってほしい、というメッセージとともに。

 このように「1ページ」は、自分の学び、そしてチームメンバーの学びを蓄積し、加速させる上でも役に立つと考えています。

※当記事は、『今すぐ結果が出る 1ページ思考』より一部を抜粋・編集したものです。