中国共産党中央委員会の記者会見中国共産党中央委員会の記者会見 Photo:Kevin Frayer/gettyimages

「習近平一強」から
「習近平派一色」体制へ

 10月22日、中国共産党第20回全国代表大会(以下「党大会」)が閉幕し、23日正午(北京時間)、新たな中央政治局常務委員がお披露目された。習近平体制の今後、中国の行方を考察する上で歴史的に重要な党大会、人事になったといえる。習近平総書記(以下敬称略)が中央委員会を代表して行った党大会報告に関しては前回コラム『中国共産党大会が開幕、習近平の演説で注目すべき「3つの内容」とは』で扱ったため、今回は人事に焦点を絞り検証を試みる。

 閉幕日、新たに選出された205人の中央委員の名簿が国営新華社通信によって公開された。党の規定によれば、中央委員に選出されて、初めて中央政治局委員、常務委員に選出されることになっている。この時点で、去就が注目された李克強首相(序列2位)の名前はない。党指導部からの完全引退を意味していた。また、汪洋全国政治協商会議主席(序列4位)の名前もない。副首相経験者である汪洋は、次期首相候補の一人とも目されていたが、その可能性が消えたことを意味していた。