写真:中国共産党第20回全国代表大会開会式Photo:Lintao Zhang/gettyimages

開幕式を欠席した江沢民
光った胡錦涛前総書記の存在感

 10月16日(日)、中国共産党第20回全国代表大会(以下「党大会」)が開幕した。22日(土)まで行われる。党大会最大の注目点は3つある。(1)中央委員会総書記による報告、(2)「党の憲法」と言われる党規約の改正、(3)新・指導体制のお披露目、である。

(2)は閉幕前後、(3)は閉幕翌日の23日(日)には明らかになる見込みである。本稿では、開幕式の模様、および開幕式直後に習近平総書記(以下敬称略)が発表した報告を検証する。

 午前10時(北京時間)、式典の開幕を告げるいつもの音楽が流れると、党の最高指導部を構成する要人(現職、前職含む)が入場してきた。その先頭を歩く習近平に続くのは、胡錦涛前総書記である。付添人を伴っていた。胡氏と同じく髪の毛が真っ白の温家宝元首相の姿もある。習、胡の恩人である105歳の宋平・元政治局委員兼中央組織部長も健在で、唯一「西服」(スーツ)ではなく、毛沢東も愛用していた「人民服」を着ていた。

 動向が注目された江沢民元総書記、外遊から帰国したばかりで“隔離中”の王岐山現国家副主席、朱鎔基元首相らは欠席した。

 ポスト冷戦期における中国共産党史の中で“キーマン”としての役割を担ってきた3者の欠席はあらゆる臆測を呼ぶに違いない。体調の不具合、現政権との距離や確執、日程の不都合など理由はそれぞれだろう。