しまむらPhoto:Diamond

コロナ禍の収束を待たずに、今度は資源・資材の高騰や円安急進が企業を揺さぶっている。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、7〜9月度のアパレル編だ。

ワールドとしまむらで業績に明暗
「コロナ勝ち組」はどっち?

 アパレルの主要4社が発表した7〜9月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯ユニクロ(ファーストリテイリング)の国内既存店
 7月度:前年同月比106.4%(6.4%増)
 8月度:同114.9%(14.9%増)
 9月度:同111.0%(11.0%増)

◯しまむらの既存店売上高
 7月度:前年同月比116.7%(16.7%増)
 8月度:同102.1%(2.1%増)
 9月度:同97.1%(2.9%減)

◯ワールドの国内小売事業売上高
 7月度:前年同月比116.9%(16.9%増)
 8月度:同130.2%(30.2%増)
 9月度:同136.1%(36.1%増)

◯洋服の青山(青山商事)のビジネスウェア事業_既存店売上高
 7月度:前年同月比120.7%(20.7%増)
 8月度:同121.7%(21.7%増)
 9月度:同127.3%(27.3%増)

 9月の業績に注目すると、ユニクロ、ワールド、洋服の青山の3社が前年実績を超えた。一方で、しまむらは前年実績を下回っている。今回取り上げる4社の中で数値が一番高いワールド(136.1%)と、しまむら(97.1%)の差は39ポイントもある。

 一見すると、しまむらだけが不調な印象を持つかもしれない。しかし、コロナ前の業績と比較した「実態値」を見ると印象はガラリと変わる。同じアパレル業界の中で「真の勝ち組」と「真の負け組」の境界線がハッキリと浮かび上がるのだ。

 早速、実態を確認していこう。