コロナ禍の収束を待たずに、今度は資源・資材の高騰や円安急進が企業を揺さぶっている。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、7〜9月度の住宅メーカー編だ。
大和ハウスが「勝ち組」に!
背景にある意外なものとは?
住宅の主要4社が発表した7〜9月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯大和ハウス(大和ハウス工業)の受注金額(合計)
7月度:前年同月比102%(2%増)
8月度:同107%(7%増)
9月度:同130%(30%増)
◯住友林業の受注金額(合計)
7月度:前年同月比123%(23%増)
8月度:同77%(23%減)
9月度:同74%(26%減)
◯セキスイハイム(積水化学工業)の住宅受注(棟数ベース)
7月度:前年同月比91%(9%減)
8月度:同84%(16%減)
9月度:同94%(6%減)
◯ミサワホームの受注金額(合計)
7月度:前年同月比84%(16%減)
8月度:同96%(4%減)
9月度:同96%(4%減)
9月度の実績を見ると、大和ハウスだけが受注金額において前年度の実績を超えた。前年同月比130%(30%増)と大幅な増収を記録している。
その一方で、住友林業の受注金額は同74%(26%減)、セキスイハイムの住宅受注(棟数ベース)は同91%(9%減)、ミサワホームの受注金額も同89%(11%減)と前年実績に届かず苦戦している。同じ住宅メーカーでも差が出る結果となった(セキスイハイムのみ開示が「棟数ベース」)。
なぜ、大和ハウスだけが圧倒的な数字を叩き出せたのだろうか?