不安や悩みが尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />周囲から「考えが浅い」「表面的」と思われがちな人の末路

なかなかうまくいかないこと

人って不思議なもので、自分でやりたいことは追いかけるけど、人からやりたいことを売り込まれると腰が引けることが多いです。たとえば、アナタが自分が書いた本を出版したいとしましょう。なんの実績もないので、自分が書きたい本の内容を記した企画書を書いて、いろんな出版社の書籍部門に送りつけたとします。

アナタの経歴や企画書の内容にもよるかもしれませんが、そういう一方的な売り込みは、なかなか成就しません。ラッキーなことに、注目してくれた編集者から返信が届いたとしても、結果的に途中でうまくいかなくなることも少なくないでしょう。

このように、なにか自分がやりたいことがあって、他人の力を借りないと実現できないときには、自分から協力を仰ぐことがあるもの。でも、考えが浅く表面的にとり繕ってお願いしても、たいていはうまくいかないと思っておいたほうがいいです。

人は気まぐれなもの

なぜかというと、そもそも人は気まぐれだからです。売り込まれるほうは、自分から追いかけているわけじゃないので、あまり熱意がない状態ともいえます。忙しくなったり、だんだんと興味が薄れてきたら、話が途絶えてしまう。いずれにしても、気まぐれな相手次第なんですね。

そもそも相手には自分の夢の実現につき合う義理もないわけで、そういうクールな見方をしておいたほうがいいと思うんです。じゃあ、どうしたらいいかっていうと、こちらから働きかけてもいいんですけど、本来は向こうから働きかけられるような自分をつくり上げておくという視点が欠けていないかということです。

いまはネットを使えば、実績をつくりやすくなっています。アテクシの場合はTwitterをはじめ、ブログVoicyYouTubeで、みなさんに役立つ情報の発信を日々積み重ねているわけです。ほかにもnoteやInstagram、TikTokなど、誰でも使えるツールはたくさんありますよね。

熱意だけでは実現しにくいこともある

アナタも、仕事や趣味で、自分では当たり前のように思ってやっていることが、じつは他の人にとっては有益な情報だったりすることがあるかもしれません。他の人に役立つ情報を発信することによってアクセス数が積み重なれば、自分から働きかけなくても、水面下で誰かが話を持ちかけようというウェーブが起こるでしょう。

その状態になったときこそ、じつは自分から働きかけるべきタイミング。先に向こうから話がくることもあるでしょう。自分から働きかけることは無駄ではありませんが、自分の気持ちとか熱意だけでは、なかなか実現しにくいもの。向こうから働きかけられてもよいくらいの自分になる、ということが先決なんですね。

本稿は『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。