米中間選挙でノースカロライナ州の激戦区に出馬したドナルド・トランプ前大統領推薦の共和党候補者2人の結末は、トランプ氏の影響力継続と、その限界を示した。ノースカロライナ州上院議員ワイリー・ニッケル氏(民主)は、州都ローリーから郊外や農村部を含む連邦下院議員第13選挙区に出馬し、トランプ氏が支持するボー・ハインズ氏を破った。ニッケル氏は自身の勝利を、警察への支持、中産階級の減税、医療費削減、中絶権利の保護など、穏健な政策綱領によるものとした。一方敗れた27歳の元大学フットボール選手ハインズ氏は、中絶をほぼ全面的に禁止し、移民を10年間停止することを提唱していた。ニッケル氏の議席はこれまで共和党のテッド・バッド氏が3期務めてきたが、今回バッド氏が上院選に立候補したため空席となった。バッド氏は民主党候補に勝利を収めた。同氏は予備選ではトランプ氏の推薦に助けられたが、中間選挙では中絶問題を避け、インフレと犯罪に焦点を当て、相手候補の裁判官と公選弁護人としての記録を攻撃したことが奏功した。
米ノースカロライナ州、トランプ推薦候補の明暗分けたもの
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