全ての政治はローカルなものかもしれない。だが世界中の政治指導者たちが今年、代償を払わされているのはインフレというグローバルな問題だ。8日投開票された米中間選挙に先立つ世論調査では、有権者がたびたびインフレを最大の関心事として挙げ、共和党はそれをジョー・バイデン大統領の政策と結びつける大々的な選挙広告を流した。共和党は連邦議会下院の主導権を握ることが有力視されていた。9日時点でまだ最終結果は判明していない。バイデン氏の政策の是非を問うたわけではないが、5月のオーストラリア総選挙では生活費が争点となり、中道右派政権が退陣に追い込まれた。6月にフランスのエマニュエル・マクロン大統領が議会過半数を失い、7月にイタリアのテクノクラート政権が崩壊し、9月にスウェーデンの中道左派連立政権が右派連合に敗れた際にも、やはりインフレとエネルギー価格の問題が影響していた。