米有権者のコンセンサス形成はこのところ難しくなっているのかもしれない。だが、テクノロジーに関する規制という点では、一定の合意が見られるようだ。
たとえば、規制強化に対してはかなり広い支持がある。ピュー・リサーチ・センターは今年、「IT大手は現在よりも規制を強化されるべきだと考える米国人は全体の44%と、2021年4月の56%から減少した」との調査結果を公表した。それでも、同センターが指摘しているように、一定数の米国成人がこの問題で一致している。
ある程度世論が一致していることを踏まえると、8日に行われた中間選挙がテクノロジー政策に与える影響は、他のより党派的な問題よりも、比較的小さな範囲にとどまる可能性がある。そうであっても、すべての選挙結果が判明すれば、それによっていくつかの重要な点でテクノロジー政策や規制が生まれる可能性がある。
サイバーセキュリティー
チャートフ・グループのサイバーセキュリティー担当責任者アダム・アイルズ氏は「上下院のいずれでも過半数が逆転しなかったとしても、サイバーセキュリティーに関して、ある程度超党派的な協力が維持されるだろう」と指摘。現在のところ、下院は共和党が僅差で過半数を獲得するとの見方が有力だ。上院の主導権の行方はまだ決まっておらず、ジョージア州の連邦上院選で決選投票が実施されるのは、この2年で2回目となる。
アイルズ氏によると、上下院のいずれかで共和党が主導権を握った場合、サイバーセキュリティーに関する政府の技術近代化構想の資金調達に関して、圧力が強まる可能性はあるという。同氏は「歳出委員会とその決定内容を注視することが必要」だと述べている。