資金繰りに行き詰まった暗号資産(仮想通貨)取引所FTXには、シリコンバレーやウォール街の大物投資家からマネーが殺到していた。彼らはほぼ無条件で20億ドル(約2800億円)近くを投じ、監視役としての取締役ポストも得ていなかった。そして、それが安全な賭けだと宣伝した。創業3年のFTXは、ピーク時の評価額が320億ドルに達していた。ところが、一転して経営危機に陥ったことで、後ろ盾の投資家には大きな汚点がついた。ベンチャーキャピタル(VC)投資会社セコイア・キャピタルは9日、焦げ付きリスクを理由に、傘下ファンドが行った1億5000万ドル相当のFTXへの投資について、すべて減損処理すると明らかにした。