10日発表された10月の米消費者物価指数(CPI)統計で示されたインフレ率の低下は、消費者に若干の安心材料を提供した。ウォール街は大半の一般家庭以上に、このニュースを歓迎したようだ。インフレ抑制面での前進によって、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めペースが鈍化するかもしれないとの期待感から、株価は急騰した。しかし同統計では、FRBがやるべき仕事がどれほど多く残されているかも示された。10月に前年同月比7.7%となったCPIの上昇率は、6月に9.1%でピークに達した後、4カ月連続で減速したが、依然として極めて高い水準にある。食品とエネルギーを除いたコアインフレ率は6.3%となり、9月の6.6%を下回ったが、持続的な低下傾向を示すには至っていない。
【社説】米インフレ率の低下、まだ定着せず
FRB、物価上昇抑制への対応は道半ば
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