【スクープ】アマゾンがペット保険参入へ、あいおいニッセイ同和損保と共同開発で最終調整Photo:Diamond

米アマゾン・ドット・コムが近く、日本のペット保険事業に参入することが、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。損害保険大手のあいおいニッセイ同和損保が商品を供給し、アマゾンが販売する方向で最終調整している。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

成長著しいペット保険市場に照準
アマゾンが損保と組み本格参入へ

 ペット保険市場は毎年2桁の成長を続けており、2021年度には1000億円を突破した。市場では上位からアニコム損害保険、アイペット損害保険、ペット&ファミリー損害保険の損害保険3社がシェア7割強を掌握。残りの3割弱はSBIグループの少額短期保険など14社がひしめき合っている。

 約1600万頭といわれるペットの犬・猫の飼育頭数は、新型コロナウイルス感染症の拡大で外出自粛を強いられたことなどで増加傾向が続く。約1600万頭のうち、保険に加入しているペットは12~13%程度とされ、市場規模は今後も拡大する可能性が高い。

 そんな「有望市場」に着目し、今年に入って大手保険会社が続々と参入を表明している。

 22年7月にチューリッヒ少額短期保険が新規参入。11月には、生命保険大手の第一生命ホールディングス(HD)がアイペットHDを完全子会社化すると発表した。

 さらにアフラック生命保険が米ペット保険大手のトゥルーパニオンと合弁会社を設立し、23年4月に事業を開始すると表明。アフラックとトゥルーパニオンとの合弁会社は、実質的に破綻したペッツベスト少額短期保険とスポンサー契約を締結し、全契約を引き受けるという。

 そんなペット保険市場に、巨大IT企業のアマゾンが参入すれば、さらなる競争激化は必至だ。だがアマゾンとはいえ、7割のシェアを握る損害保険3社の“牙城”を切り崩すことが可能なのか。

 取材を進めていくと、アマゾンが水面下で進める「市場制覇」の戦略と、度肝を抜く驚愕の契約目標が明らかになった。次ページから、その全貌をつまびらかにしていく。