犬・猫の飼育匹数が1800万を超えるのに伴って、ペット保険業界は少額短期保険と損保が、価格競争のみならず代理店手数料などを巡って大乱戦。そうした中、損保大手のあいおいニッセイ同和損害保険傘下のリトルファミリー少額短期保険が、業界最安値を引っ提げて殴り込みをかけた。特集『少額短期保険 111社の大乱戦』(全10回)の#6では、ペット保険業界の最新動向を探った。(ダイヤモンド編集部 藤田章夫)
2桁成長のペット保険を巡り
少短vs損保、17社の大乱戦
数ある保険商品の中で、最も勢いのあるペット保険。市場の勢いは、足元でさらに伸びを見せている。新型コロナウイルスの感染拡大によって在宅時間が増え、ペットを飼う家庭が増えているからだ。
ペットフード協会によれば、犬・猫共に新規飼育匹数は2018年に底を打ち、その後は増加傾向にある。20年の新規飼育匹数は犬が46.2万匹(前年比14%増)で、猫は48.3万匹(同16%増)。飼育匹数であれば、犬が848.9万匹、猫が964.4万匹の合計1813.3万匹となり、15歳未満の子どもの数である1493万人を大きく上回っている。
これに伴い、ペット保険への加入も増加の一途。下図の通り、20年度の収入保険料は931億円、この10年で約6倍となり、前年比2桁成長が続いている。
現在、ペット保険を販売している保険会社は17社。損害保険会社が5社、少額短期保険会社が12社で、この10年で倍増した。その17社目となったのが、大手損保のあいおいニッセイ同和損害保険が設立したリトルファミリー少額短期保険。価格破壊ともいえる保険料水準で殴り込みをかけてきたことで、ペット保険業界はさらなる大乱戦の様相を呈している。
あいおいの勝算やいかに。ペット保険の最新事情を俯瞰しつつ、損保と少短17社で混戦状態のペット保険業界をひもといていこう。