近年日系企業のアジア進出が進むにつれて、その現地化の貴重な即戦力としてアジアからの留学生が注目されている。ミャンマーにおいても、今後の日系企業の進出ニーズが高まるにつれて、日本文化を理解したミャンマー人留学生に対する雇用ニーズがより高まるだろう。一方で、我々はミャンマーからの留学生のことをどれだけ理解しているのだろうか。長年国際社会からの孤立主義をとっていたミャンマーからの留学は、他の東南アジアからの留学以上に困難を極めてきた。今回は、その現場に迫りたい。
高まるグローバル人材に対するニーズ
日本企業の海外進出が活発になるにしたがって、アジアを中心に外国人の採用が活発化している。最近の記事においても、「イオン、外国人採用1500人 幹部候補アジアから」(2013年1月29日日本経済新聞)など、各社が積極的にアジアでの現地人材育成に力を入れている様子が見てとれる。
アジアをはじめとした海外進出において、現地化を進めるうえでの貴重な戦力として、日本に来ている留学生を積極的に雇用する動きも広がっている。就職情報サービスのマイナビによると、平成25年卒の外国人留学生採用を予定または検討中と答えた企業は32.8%(昨年は10.7%)、上場企業では58.6%(昨年は27.1%)と、前年の調査数値を大きく上回った。日系企業の考え方を理解し、かつ現地事情を理解したアジアの留学生に対するニーズは今後も高まっていくだろう。
当然ながら、ミャンマーへの日系企業の進出においても、日本に来ているミャンマーからの留学生に対する期待が高まっている。ミャンマー人留学生たちはどのような経緯で日本への留学に至ったのか、そもそもなぜ留学先に日本を選んだのか、また日本企業に何を望んでいるのだろうか。それ以前に、留学生として来日することは、どれほどの困難が伴う話だったのだろうか。
今回はミャンマーから日本への留学をサポートして25年になる日本ミャンマー交流援護会理事長の藤井啓一郎氏に、ミャンマーからの留学生事情について話を伺った。