今回は昨年12月21日に署名された「ミャンマー・ティラワ経済特別区開発に関する協力覚書」の内容を確認したうえで、この動きの背景や今後の課題について、前回に引き続き日本ミャンマー協会の関専務理事のコメントから読み解いてみたい。

ティラワ経済特別区開発を担う
共同事業体の位置付けと役割

 今年は年初から、ミャンマー関連の記事が新聞各紙を賑わせており、日本が官民でより具体的な形でミャンマーへの関わりを実現していく年になることを予感させる。なかでも、麻生太郎副総理兼財務相は3日、首都ネピドーでテイン・セイン大統領と会談し、日本政府として民主化と経済改革への努力を評価した上で、関係強化に向けて支援を続けていく考えを表明している。同日にウィン・シェイン財務・歳入相ら政府要人とも相次いで会談し、約5000億円に上る延滞債務問題を解消し、500億円規模の円借款を再開する考えを併せて伝えている。

 麻生太郎副総理兼財務相は、翌4日午後にはヤンゴン近郊にあるティラワ経済特区を視察している。本連載でも度々取り上げているが、この特区は日本が官民を挙げて取り組むミャンマー経済支援の中心的なプロジェクトで、上記の500億円規模の円借款のうち、最大200億円程度を特区内の道路や送電線、港湾などのインフラ整備に充てる方針だ。