今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が低い会社ランキング2022【愛知除く中部地方】」を作成した。対象は愛知県を除く中部地方(新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡の8県)に本社を置く上場企業で、単体従業員数20人未満の企業は除外している。対象期間は、2021年4月期~22年3月期。
早速、ランキングを見ていこう。
2位は今夏に株式上場した
介護施設運営のサンウェルズ
1位となったのは、北日本紡績で、平均年収は322.5万円。石川県白山市に本社を置く合繊や紡績糸を製造・販売する企業で、主要取引先に帝人などがある。
同社は1948年、国の「第一次スフ紡績50万錘復元計画」に応じた北陸地方の有志によって、地元産業の発展のために設立された。北陸における合繊産業は戦後、対米輸出向け大量・廉価生産で一大成長を遂げた。
しかし、1980年代以降は韓国や台湾、2000年代以降は中国が同分野で台頭したことで、北陸の合繊産業は現在、低迷している。
北日本紡績の経営もそうした環境に連動し、18年末には東京証券取引所の上場廃止基準に抵触するなど、これまで幾度も経営危機にひんしている。22年3月期の業績は、売上高8億3000万円、営業損益は1億4000万円の赤字、最終損益は1億2800万円の赤字だった。