新日本酒紀行「おがわの自然酒」契約する有機農家の栽培圃場 Photo by Seiunsyuzou

亡き父と金子美登氏の思いを継承。無農薬米で醸す自然酒

 耕作面積の約19%が有機栽培という埼玉県小川町。有機農業の里として知られ、中でも下里地区は、地域ぐるみの取り組みが、2010年の農林水産省主催「豊かなむらづくり全国表彰事業」で最高賞の天皇杯を受賞。そのきっかけをつくった人物が金子美登(よしのり)さんだ。1971年から孤軍奮闘で持続可能な有機農業を実践。エネルギー自給を含めた循環型農業を行い、共感した若者が集まり、農家塾を開いて研修者を受け入れ、今までに150人以上の後継者が育った。