2024.4.21 新日本酒紀行「こんにちは 料理酒」 料理人から圧倒的な支持を得る「こんにちは料理酒」は、大木代吉本店の代表作だ。創業は1865年で、初代代吉さんが醤油蔵から分家し、福島県西白河郡矢吹町で開業。4代目、一也さんがアミノ酸量が3倍以上の無添加料理酒を開発すると、料理人や食品加…
2024.4.7 新日本酒紀行「A.BIRTH(エーバース)」 「この風景を瓶に詰めたい」と語り、夏は田んぼで米作り、冬はその米で酒造りの人生で夏田冬蔵と自らを名乗った森谷康市さん。業界内外から慕われ、全国から講演会に呼ばれる人気者でしたが、2019年夏の田んぼで倒れ、62歳で帰らぬ人に。残された30…
2024.3.31 新日本酒紀行「木内酒造」 茨城県那珂市で1823年に創業した木内酒造は、日本酒「菊盛」の他、「常陸野(ひたちの)ネストビール」が有名だ。社長の木内敏之さんは、東京駅からのバスツアー考案し、酒に合う地元素材の食を提供する。
2024.3.24 新日本酒紀行「富久錦」 全国に先駆け1987年に純米酒宣言を行い、92年に全量純米化した富久錦。播州平野の田園地帯で、1839年に創業した。「酒は土地の風土と思いが造る」が持論。播磨の米と水と人で、播磨の地酒を追求する。
2024.3.17 新日本酒紀行「熟露枯」 総延長600mにも及ぶ洞窟は、戦車製造工場として建造された。全て人力で掘られ、岩肌にごつごつした掘削跡が残る壮大な建造物だが、一度も使われないまま終戦を迎えた。この洞窟で、99年から贅沢な大吟醸酒の熟成を試みたのが島崎酒造だ。
2024.3.10 新日本酒紀行「稲田姫」 稲田姫とは、ヤマタノオロチ伝説でスサノオノミコトに助けられて妻になった稲と田の女神様。その姫の名の酒を醸すのが鳥取県米子市の稲田本店だ。創業は1673年という老舗蔵。
2024.3.3 新日本酒紀行「瀧自慢」 「平成の名水百選」に選ばれた、三重県の赤目四十八滝の近くで酒造りをするのが、「瀧自慢」を醸す瀧自慢酒造だ。仕込み水は滝の伏流水を用い、県産米を主に食に寄り添う酒を造る。
2024.2.18 新日本酒紀行「鷹勇」 中国地方最高峰の大山の東北側にある船上山は、平安時代に山岳仏教が栄え、後醍醐天皇の倒幕きっかけの地だ。その麓の琴浦町で、1872年に創業した大谷酒造は、山々からの豊かな伏流水を使い、地元産の山田錦や強力、玉栄などを主に、食事に合う辛口…
2024.2.11 新日本酒紀行「東京八王子酒造prototype」 東京で10番目となる酒蔵が、2023年にJR八王子駅から徒歩5分の料亭内に誕生した。花街の面影を残す中町の黒塀通りに面した料亭すゞ香の厨房を改装し、開業したのが東京八王子酒造だ。
2024.2.4 新日本酒紀行「十石」 灘と全国一、二を争う日本酒の大生産地伏見で、造り手1人、営業1人の小さな酒蔵が2023年1月に船出した。醸造の場は、月桂冠に酒を納め、21年に休蔵した松山酒造で、幕末まで薩摩藩邸があった土地に明治期に建てられた酒蔵だ。
2024.1.28 新日本酒紀行「朔」 「酒で旅するニッポン」をテーマに、日本酒を米作りから手掛けるブランド「朔」。2023年にフランスの日本酒コンクール、KuraMasterのクラシック酛部門でトップ賞を受賞し、注目を浴びた。
2024.1.21 新日本酒紀行「長珍」 織田信長も見たという尾張津島天王祭は、一艘400個近い提灯が幻想的に川面を照らし、600年の歴史を誇る。その祭の会場近くで酒造りをするのが長珍酒造だ。創業1868年、当時の屋号は「提灯屋」だったが「末長く珍重される酒」を願って「長珍」に改名…
2024.1.7 新日本酒紀行「田光」 田の水面が光る様子を表す「田光(たびか)」は、鈴鹿山脈釈迦ヶ岳の麓、三重県の菰野町に実在する地名だ。町内で酒造りする早川酒造4代目の早川俊人さんは、命運を懸けた新銘柄にこの名を冠した。
2023.12.24 新日本酒紀行「初孫」 酒田市の居酒屋で燗酒を頼めば、ほぼ東北銘醸の「初孫」が供される。それほど地元に根付き愛される定番地酒だ。晩酌酒から大吟醸まで幅広い商品で魅了するが、全量を伝統技法の生酛造りで醸すのが特徴。
2023.12.17 新日本酒紀行「出雲地伝酒」 城下町、島根県松江市は、中海と宍道湖に挟まれた水の都。7代藩主の松平治郷が茶文化を広め、汽水湖の宍道湖で取れるスズキやシジミなどを宍道湖七珍と呼び、食文化が花開く。そんな出雲地方で生まれたのが地伝酒だ。
2023.12.10 新日本酒紀行「うつつよのどぶろく」 大阪の街の真ん中で、自然米でどぶろくを醸す大阪どぶろく醸造所は、スタンドうつつよを併設し、冷酒、燗酒、ソーダ割りなど楽しい飲み方を提案して、購入もできる。醸造元は日本酒餐昧うつつよのオーナー料理長の藤井章弘さん。なぜ料理人が醸造の…
2023.12.3 新日本酒紀行「紫宙」 樹齢700年の大スギに囲まれる岩手県紫波郡紫波町の水分神社は、水の神として知られる水分之神こと水波能売命(みづはのめのみこと)を祭る。町の指定文化財になり、豊かな清水が自噴して上水道にも使われる。この水で酒を醸すのが、蔵人4人の小さな…
2023.11.26 新日本酒紀行「千代寿」 幻となった豊国の酒を惜しみ、復活に尽力したのが、寒河江市の千代寿虎屋3代目の大沼保義さんだ。その保義さんの思いを継いだ息子の寿洋さんは、蔵人たちと一緒に田植えから参加し、豊国の淡麗で優しい口当たりの酒造りに情熱を注ぐ。
2023.11.19 新日本酒紀行「あら玉」 全国新酒鑑評会で、昭和の末にはゼロに近い金賞が、2023年は20蔵も受賞し全国一に輝いた山形県。この美酒の礎を築いたのが、山形県研醸会の初代会長で和田酒造8代目の和田多聞さんだ。多聞さんが情熱を注いだのはもう一つ、酒米・改良信交の復活だ…