米政府当局者らは、ロシアの主要貿易相手国に対し、対ロ制裁の実行や貿易管理を求める外交戦略を静かに進めている。ロシアへの輸出は同国によるウクライナ侵攻後に減少したが、現在は増加傾向が見られる。米国とその同盟国は国際的圧力を高める方針により、初期段階ではロシアの軍事サプライチェーン(供給網)を混乱させ、同国経済を大幅に縮小させることに成功したと述べていた。だが、欧米政府高官らは、金融取引や貿易を禁じた制裁の実行が徹底されず、いわゆる制裁漏れが生じたことによってこの方針は弱体化し、これによってロシア経済が支えられ、戦争が長期化する可能性が高まっていると述べている。欧州委員会のマイレッド・マクギネス委員(金融サービス担当)はインタビューで、「欧州域内、そして第三国でも迂回(うかい)行為を回避したい」と発言。「制裁漏れが長引けば長引くほど、事態が収束するのは難しくなる」と続けた。同氏のオフィスは欧州連合(EU)の制裁に関する政策を統括しており、制裁漏れを一掃する目的で欧州の税関データを精査しているという。
米政府、対ロ制裁強化を同盟国に要求 一部で輸出回復の兆候
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