中国の習近平国家主席は米国との競争激化に備えつつも両国関係の安定化を図ろうとしている。米国とのコミュニケーション強化を狙い、中国がいま頼っているのは米産業界の旧友たちだ。事情に詳しい関係者によると、先週開かれた習主席とジョー・バイデン米大統領の首脳会談の数日前、中国は上級政策顧問や企業幹部から成る代表団をニューヨークに派遣し、同等の地位や職に就いている米側のグループと会談した。このグループは、中国で最も成功した米国人ビジネスマンの1人で、保険会社幹部のモーリス・ハンク・グリーンバーグ氏(97)が設立したものだ。ウォール街の幹部たちは長年、中国の権力構造の中で特別な地位を占めてきた。中国の指導者らはグリーンバーグ氏を「中国の古い友人」と呼んでいる。第2次世界大戦で勲章を受けた退役軍人で、共和党の有力献金者でもある同氏は、かつて保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の最高経営責任者(CEO)を務め、現在は保険・投資会社C.V.スターのCEOに就いている。
中国が頼る裏ルート外交、対米関係の改善図る
首脳会談前に習氏の承認受けた代表団が訪米
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