婚活を優先させる人ほど
「婚活うつ」になりやすい?

 では、実際に植草氏の相談所で「婚活うつ」に陥った人には、どのような兆候があったのだろうか。

「だんだん婚活に身が入らなくなり、デートの回数が減っていきます。お風呂に入れないほど身だしなみに気を使わなくなり、こちらが話しかけてもうまく笑えない、しゃべれない。週末は一日寝て過ごしてしまう。そうなると完全に『うつ』状態で、病院で専門治療をするしかありません。婚活うつに陥りやすい人は、理想が高く真面目で、『~でなければ』と自分を追い詰めてしまう人。『結婚しなければ』という願望が強い人ほど危険だと思います」

 デートの際、常に受け身の姿勢でいることも「婚活=ストレス」という図式になりやすいという。

「『何食べたい?』に『なんでもいいよ』、『どこ行く?』に『どこでもいいよ』と返事をする人は、一見こだわりのない寛容なタイプに見えますが、無責任なだけ。結局、後々になって『こっちが良かった』『こう言ってほしかった』と心で文句を言って勝手にストレスをためてしまうことにもなるので、婚活中でも我慢せず、相手に要望は伝えていきましょう」

 また、日々のスケジュールで婚活が最優先になっている人ほど「婚活うつ」になるリスクも高いのではないかと植草氏は分析する。

「婚活最優先で友人に会わなかったり、買い物や趣味などリフレッシュの時間を作らずにデートの予定を詰め込んだりしていると、婚活のせいで何もできないというストレスを抱えてしまう。また、婚活のことばかり考えている人は魅力的に映らないので、結果的に成婚も逃すという悪循環を生み出します」

 婚活うつを避けるためには、「婚活以外」のことにも注力する必要があるのだ。冒頭の「一人の生活を続けても寂しくないと思う」と回答した独身男女の多くは「生きがい」を感じる趣味やライフワークを持っていた。結局は「結婚したい」「したくない」にかかわらず、没頭できて自分の軸となる「生きがい」を持つことが大切なのかもしれない。