2022年の終盤、世界経済は悪化し続けている。だが、当初懸念されていたほど深刻ではなく、来年厳しい景気後退に陥る事態は避けられそうだとの期待が高まっている。23日に公表された11月の購買担当者指数(PMI)指標は、米国と欧州で全般的に生産が落ち込んでいることが示された。とはいえ、他の指標も合わせると、景気見通しは強弱まちまちの様相を呈しており、インフレ高進や金利上昇にもかかわらず、双方の地域で引き続き底堅さも見受けられる。新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われている中国では、先行きが極めて不透明だ。当局がコロナ対策の緩和を視野に入れる中で、来年は景気が回復するとエコノミストはみている。米国では、労働市場の引き締まりと、依然として力強さを保っている家計状況が、経済のエンジンである個人消費を支えている。10月の小売売上高も堅調な伸びをみせるなど、第4四半期もプラス成長を維持する可能性がある。40年ぶりの水準に跳ね上がっていたインフレにも鈍化の兆しが出てくるなか、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げにどこまで耐えられるかが米経済の先行きを左右しそうだ。