【ロサンゼルス】ロバート・アイガー氏は実のところ、ウォルト・ディズニーを去ったことは一度もなかった。  2020年2月25日、アイガー氏は最高経営責任者(CEO)の座をボブ・チャペック氏に譲ると発表。だが、自身は日々の業務とは距離を置く執行会長としてディズニーにとどまる考えを示した。  「われわれは混乱を招くとは全く心配していない」。その日の午後、CNBCのインタビューに応じたアイガー氏はこう述べていた。  しかし、それから1カ月足らずで、2人の対立は先鋭化した。新型コロナウイルスの流行を受けて、数万人のテーマパーク従業員をレイオフするとのチャペック氏の計画が火種だった。