写真:マンション,価格,高騰写真はイメージです Photo:PIXTA

新築マンションの価格が高騰している。適正価格を大幅に上回る物件も多く、契約と同時に含み損を抱えることになりかねない。なぜこのような事態になっているのか。(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)

資産形成につながる
マンション選びの法則

 スタイルアクトでは無料会員制サイト住まいサーフィンの会員限定で、個人のマンション購入相談を有料で受けている。最近、最も多い依頼が、「購入しようと思っている新築物件が高過ぎやしないか?」というものだ。

 確かに、それが適正価格より非常に高ければ、契約した瞬間に大損しないと売却できないことになる。この差損が1000万円なら、現金で1000万円を失うことになる。つまり、頭金1000万円を払っていれば、その1000万円がなくなることを意味する。

 もし頭金を積んでいなければ、売却の際に1000万円を現金で用意して、住宅ローンを完済しないと、売ることが許されなくなる。バブル経済崩壊後、資産価値が下落して売るに売れずに重たい住宅ローンに苦しむ人が続出した。今の価格は、この再来を想起させる水準になっている。

 バブル崩壊で資産価値の下落に悩まされた人は今の60~70代のファミリー層に多い。この世代は都心からかなり離れたところに住んでいて、借りた住宅ローンより自宅の売却価格が安かったために引っ越しすらできなくなった。

 筆者はこの世代を見て、マイホームの資産価値で苦しむことがないように、マンションや戸建ての資産価値を分析してきた。