「こんなに頑張っているのに、なぜ自分は仕事ができないのだろう」。人一倍時間をかけ、手も抜いていないのに、なぜか周囲より成果が出ない。そんなとき、多くの人は「能力が足りない」「もっと努力しなければ」と考える。しかし、問題は努力量ではないかもしれない。今回は書籍『天才になれなかった全ての人へ 自分だけの武器が見つかる才能論』より、人気漫画家による実践的な才能論を紹介する。

一生懸命なのに「仕事ができない人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

要領や能力の問題ではない

「誰よりも一生懸命働いているのに、なぜか成果が出ない」。そんな人は少なくない。朝から晩まで働き、人一倍努力している。それなのに、周囲からは「仕事ができない」と評価されてしまう。

こうした人は、「要領や能力の問題だろう」と思いがちだ。しかし、僕は違うと考えている。

書籍の中で紹介した実践的な才能論「カード思考」で考えると、別の原因が見えてくる。

「どれだけ頑張ったか」では、適性はわからない

「カード思考」では、人はそれぞれ異なる「カード」を持っている。「話す」「書く」「人と交渉する」「一人で考え抜く」など、人によって強いカードは違う。

重要なのは、持っているカードによって、同じ仕事でも消費するMPがまったく違うことだ。たとえば、人前で話すことが得意な人なら、1時間のプレゼンをしてもほとんど疲れないかもしれない。しかし、それが苦手な人にとっては、たった1時間で一日のMPをほとんど使い切ることもある。逆に、資料作成なら何時間でも集中できる人もいる。

つまり、「どれだけ頑張ったか」だけを見ても、その人の仕事の適性はわからないのである。

MPを大量消費する場所では勝ちにくい

一生懸命なのに仕事ができない人ほど、自分にとってMP消費量の高い場所で頑張っていることがある。周囲が1のMPでできる仕事に、自分だけ10のMPを使っている。だから、同じ8時間働いていても処理できる仕事量に差が出る。しかも、本人はものすごく頑張っているので、「これ以上どうすればいいんだ」となる。

しかし、問題は努力量ではない。戦う場所なのである。ゲームでも、一回攻撃するたびに大量のMPを消費する技だけで戦っていたら、どれだけ強いキャラクターでも途中で息切れする。仕事も同じだ。

「頑張らなくてもできる」は強いカードかもしれない

書籍の中に、こんな言葉がある。

もちろん、時と場合によっては、コストのかかるカードを切らなきゃいけないこともあるだろう。だが、長期的に継続して、コストの高いカードばかりを使い続けることはできない。それを考えれば、いかに自分にとってコストの低いカードを上手く活用するかが、天才モードに入る必要条件だと言えるだろう。

大切なのは、自分にとってMP消費量の低い仕事を探すことだ。本人にとっては簡単すぎて、「こんなの誰でもできる」と思っていることほど、実は強いカードである可能性がある。

他人が苦労しているのに、自分ならすぐ終わる。他人が疲れ切る仕事なのに、自分は何時間でも続けられる。頼まれていないのに、つい工夫してしまう。

そういう場所では、少ないMPで大きな成果を出せる。「苦手なことを努力で克服する」だけが正解ではない。自分のカードを理解して、なるべくMPを使わずに成果を出せる場所へ移動することも立派な戦略なのである。