不安や悩みが尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、著者がNHK『あさイチ』[12/12(月)放送]に出演することで注目の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。
ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

うつ病になった精神科医が人生のどん底で見つけた“幸せの最終結論”

人はなにが起きても幸せになれる

アテクシの30代半ばから後半にかけては、いろいろと大変なことが重なって、精神的にも肉体的にもつらい目に遭いました。

当時、すでに自分のクリニックを開業していたのですが、仕事が立て込んでかなり忙しかったうえに、大切な人が次々と亡くなってしまい、絶望感にさいなまれたこともあって、うつ病を患ってしまいました。症状がひどいときには、朝起きたら、もうその瞬間から泣きそうな気分になっていたのです。

精神科医ですから対処の仕方は知っているのですが、それでもつらい状態が延々と続いたもので、「こんなことがいつまで続くんだろう」「いつになったら終わるんだろう」「もう元に戻らないんじゃないか」と不安になったものです。

なにがあっても、あきらめないで

そんな最悪の精神状態でも、「いずれちょっとマシになるだろう」「今日のつらさを10としたら、明日のつらさは9.5でもいい」なんて思いながら、なんとかしのいで、その後、回復したわけです。

いまでも当時のつらさ、悲しさ、嫌なことが、なかったことにはなっていませんが、いまの自分は幸せだと断言できるんです。それは、あのつらい時期にあきめてしまっていたら、絶対に手に入らないものだったと思うからです。

いまが幸せだからといって、いまの幸せが未来永劫ずっと続くかといえば、そうともいえません。人の幸せというのは、つねに変わるもの。それでも、どんなことがあっても、人は幸せになることができるとアテクシは思ってます。なぜなら、人の幸せというのは、とても主観的なものだからです。

目の前のことを自分がどう捉えるか

自分自身が自分のいまに納得して、悔いはないと思えるなら、それは幸せだと思うんです。目の前の状況を自分がどう捉えるかによって、幸せにも不幸にもなるということです。

そこで、いちばん大事なポイントになるのは、あきらめないこと。いつも一生懸命になって、ずっと頑張り続ける必要はないんです。でも、決してあきらめないこと。いま頑張れない状態で、ゴロゴロしていても、あきらめなければ挽回できる機会が必ず訪れますから。

納得することが“幸せの最終形”

もうひとつ大事なことは、自分が納得して動くということ。動かないときも、自分が納得したうえで動かないこと。いずれにしても、自分が納得するということをつねに意識してください。

これは自分勝手とは違います。まわりの人たちを顧みず、振り回して、迷惑をかけても、自分が納得するから動く、動かないというとは、話が違うのです。そうではないことを前提に、自分が納得することを判断の基準とすることで、なにが起きても悔いはないと思えるようになります。それが幸せの最終形だと思っています。

本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。