コロナショックであらゆる業界に不況の波が押し寄せるなか、不動産業界はバブルといわれるほどの好景気。なかでも数年前からじわじわ注目を集めているのが「平屋住宅」だ。かつては「老後の終(つい)のすみか」「昔ながらの住宅」といったイメージの強かった平屋が、なぜいま人気なのか。『すごい平屋』(エクスナレッジ)担当編集の久保彩子さんに話を聞いた。(清談社 吉岡 暁)
テレワーク普及で
若い世代が平屋に注目
ここ数年、減少傾向だった新設住宅着工戸数が5年ぶりに増加した。2020年にコロナショックで着工数が減ったものの、そこから回復に転じ、21年は10カ月連続で前月数を更新。業界では「不動産バブル」の声すら上がっているという。
そんななか、特に注目されているのが平屋住宅(以降、平屋)だ。国土交通省の建築着工統計調査によると平屋の着工棟数は年々増加しており、21年には新たに約5万5000棟の平屋が建設された。11年の着工棟数約2万8000棟から、10年でおよそ2倍近く増えたことになる。新築戸建て全体に占める平屋の割合は19年に初めて10%を超えた。