【精神科医が教える】
心が自滅してしまう…脳をスッキリさせるために絶対にやってはいけないこと

不安や悩みが尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、著者がNHK『あさイチ』[12/12（月）放送]に出演することで注目の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』（ダイヤモンド社）だ。
ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる！

執着を手放す

「執着を手放す」というのは、とても大切なことです。執着には、他人に「こうしてほしい」「こうなってほしい」という強い思いもありますが、自分が管理しなければいけない情報を手放すという視点も大事です。

要は、あれもこれもと、つねに見張っていなければならないことがたくさんあると、疲れてしまうんですね。だから、これだけは手放せないってことだけ残して、「あとはどうでもいい」くらいにキッパリと手放したほうがいいんです。そのほうが、本当に大事なことのために、エネルギーを集中できるからです。

そうすることによって、気持ちもスッキリします。そうはいっても、なかなか割り切れない人も多いです。執着するくらい強い思いを込めていたことですから、未練が残ってしまいがちなんですね。

思い切った割り切りが大切

ビジネスでいうと、経営者が長年かけて築き上げた会社を他人に事業継承することにしたとします。そう決めたのなら、いっさいがっさい思い切って全部譲ってお任せして、もうなにも考えず、自分の新たな生活に再出発すると心に決める。やりたかったこともあるだろうし、そちらに自分のエネルギーを完全シフトするように、心に決めるんです。

事業継承して手放すと決めたにもかかわらず、「こうしてほしい」「ああしてほしい」「これじゃダメだ」とか、もう関係ないし相談されてもいないのに口を挟んだりする。これでは結局、手放したことにならないんですね。長年かけて築き上げてきたことでも、思い入れがあることでも、もう自分のものではないのですから、つべこべいう口を挟むべきではないんです。

あっさりと手放し、もう気にしない

手放すことのいちばんのメリットは、そのことをもう気にかけなくてもいいっていうこと。2割3割くらい気にかける中途半端な状態にしてしまうと、結局はそのことに余計なエネルギーを奪われてしまいます。挙句の果てに気づいたら、以前となんら変わらない精神状態に戻ってしまったりもします。

手放したわけでもなければ、続けているわけでもない、どっちつかずの中途半端な状態になると、結局はうまくいかないんです。だから、もう手放すと決めたら、あっさりと手放して、この先の自分の人生でかかわらないくらいに考えて、もう気にしない。

そうすることによって、手放すことのメリットがちゃんと得られます。「どうしようかな」と思って、手放そうと決めたら、あっさりと手放すことを基本にしてみてください。

本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』（ダイヤモンド社）の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。