ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「ギニアビサウってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ギニアビサウってどんな国?

 ギニアビサウはアフリカ大陸西部に位置し、北部のセネガルと南東部のギニアに囲まれ、西部は大西洋に面する面積の小さな国です。

 山がなく、高い場所でも標高310mに過ぎない、平野が広がる国土です。また、沖合には100近い島々があり、低平な沿岸部ともどもマングローブが広がっています。

 年中高温で、首都ビサウの気温は年間通じて27℃くらいです。雨季と乾季があり、乾季にはサハラ砂漠からハルマッタンと呼ばれる東からの貿易風が吹いて、乾燥します。なお、国名は首都ビサウにちなんだものです。

 これといった産業がなく、輸出の8割前後をカシューナッツが占め、それが国家の主な収入源となっているほどです。

 このため、国民の6割以上が絶対的貧困にあるという、世界的にも経済的な最貧国の一つです。鉄道もなく、道路も整備されていません。

 ポルトガルの植民地であったこともあり、ブラジル移民の子孫が多く、カーニバルもリオ並みに賑わうといいます。

 クーデターや内戦の影響や島が多いことから、南米からヨーロッパへの麻薬の中継地になっているといわれます。

 三重県の鳥羽水族館には、この国のジェバ川で捕獲されたアフリカマナティーがいます。ジュゴンに似ていますが、川に生息します。

「ギニアビサウってどんな国?」2分で学ぶ国際社会アフリカ西部

ギニアビサウ共和国

面積:3.6万km2 首都:ビサウ
人口:197.6万 通貨:CFAフラン
言語:ポルトガル語(公用語)、ギニアビサウ・クレオール語(ポルトガル語系)など
宗教:イスラーム42%、キリスト教22.1%、精霊信仰14.9%
隣接:セネガルギニア

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)