ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「トーゴってどんな国?」2分で学ぶ国際社会

トーゴってどんな国?

 トーゴはアフリカ大陸西部に位置し、ギニア湾に面する国です。ガーナ、ブルキナファソ、ベナンと国境を接します。

 南北は500km以上ありますが、東西は狭いところでは50kmほどしかない、南北に細長い国です。東部をモノ川が流れ、下流部はベナンとの国境となっています。

 海岸はかつて奴隷海岸と呼ばれ、1885年にドイツ領となりました。ビールの生産が行われているのはその名残といえます。第一次世界大戦後はフランス領になりました。

 首都ロメの人口は80万を超え、都市圏人口では約180万(2015年)という大都市です。

 近郊でりん鉱石を産出しますが、その量は減少傾向にあります。農業国ですが、自給農業が中心で、これといった産業は見られません。

 トーゴ人の主食は、プランテンバナナという長い料理用バナナです。甘味はあまりなく、焼いたり揚げたりします。

世界遺産に登録された少数民族の伝統的集落

 トーゴからナイジェリアの一帯では、精霊との対話や、健康などの願いを込めて、数多くの仮面などが作られてきました。

 北部に位置する少数民族バタマリバ人の土地クタマクは世界文化遺産に登録されています。バタマリバ人が伝統的な集落で暮らしており、独特の宗教観に基づいたタキヤンタと呼ばれる住居が見られます。

 泥の家で、2階以上ある塔がいくつか集まった形をしていて、小さな窓が目、入口が口を表しているといわれています。中では家畜も飼育し、暑い夏でも問題ない貯蔵庫もあります。

「トーゴってどんな国?」2分で学ぶ国際社会クタマクの伝統的集落 Photo: Adobe Stock

トーゴ共和国

面積:5.7万km2 首都:ロメ
人口:828.3万 通貨:CFAフラン
言語:フランス語(公用語)、カブレ語などの民族語
宗教:キリスト教42.3%、伝統信仰36.9%、イスラーム14%
隣接:ガーナ、ブルキナファソ、ベナン

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)