ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。新刊『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
ポルトガルってどんな国?
ポルトガルは、ヨーロッパ大陸南西端イベリア半島の南西部に位置する国です。北東側はスペインと国境を接し、南西側は大西洋に面する海岸線が続きます。
大航海時代に世界に進出したポルトガルは、古くから日本とのつながりが深く、1543年、種子島(現在の鹿児島県)に漂着したポルトガル人によって、日本に鉄砲が伝えられました。
その後、南蛮貿易が始まり、ヨーロッパの文化や学問が日本に伝わりました。てんぷらやこんペいとうは、この頃ポルトガルから日本に伝えられたものです。
1582年日本からヨーロッパに派遣された4人の少年(天正遣欧少年使節)は、ポルトガルに上陸し、リスボンにあるイエズス会のサン・ロッケ教会に滞在しました。
農業面でオリーブやぶどう、コルクがしなどを栽培する地中海式農業が盛んで、「ポルトガルの宝石」と称されるポートワイン(北部のドウロ地方でつくられるアルコール度数の高いワイン)が有名です。
日本の対ポルトガル貿易としては、乗用車・一般機械を輸出し、衣類と同付属品・有機化合物を輸入しています。貿易は慢性的赤字で、観光収入と出稼ぎ労働者からの送金などで補っています。
ポルトガルの人口は1000万人をやや上回る程度ですが、かつてポルトガルの植民地であったブラジルがポルトガル語を公用語としていることから、ポルトガル語を母語とする人口は世界で約2億人といわれています。
ポルトガル共和国
面積:9.2万㎢ 首都:リスボン
人口:1026.4万 通貨:ユーロ
言語:ポルトガル語(公用語)、ミランダ語
宗教:カトリック81%
隣接:スペイン
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)