ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
コートジボワールってどんな国?
コートジボワールは、アフリカ大陸西部に位置し、ギニア湾に面する国です。リベリア、ギニア、マリ、ブルキナファソ、ガーナと国境を接します。
国名は、かつてヨーロッパ人がこの地域を呼んだ「象牙海岸」という意味のフランス語です。
1983年に首都が内陸のヤムスクロ(人口20万強)に移りましたが、ほとんどの行政機関は、それまでの首都アビジャンに残ったままです。アビジャンは、人口が400万人を超す西アフリカ有数の大都市です。フランスが建設し、港湾機能に優れて発展しました。
カカオ豆の生産量が世界第1位
主要産業はカカオ豆の生産などで、その生産・輸出はともに世界の4割近くを占めています。ちなみに日本は、コートジボワールよりもガーナからの輸入が多いです。
生産農家の規模は零細です。カカオ畑でマリやブルキナファソなどから連れて来られた児童が働いていることが問題になりました。
輸出はほかに金と、1993年から産出が始まった原油とがあります。
経済発展は比較的順調で、「西アフリカの優等生」などといわれ、2012年以降、毎年約7~9%の高い経済成長を維持しています。
サッカーが盛んで、かつて日本代表監督を務めたフィリップ・トルシエ氏は、1993年にコートジボワール代表監督も務めました。また、同じく元日本代表監督のヴァヒド・ハリルホジッチ氏は、2008~10年までコートジボワール代表を率いました。
コートジボワール共和国
面積:32.2万km2 首都:ヤムスクロ
人口:2808.8万 通貨:CFAフラン
言語:フランス語(公用語)、ジュラ語などの民族語
宗教:イスラーム42.9%、キリスト教17.2%、福音派11.8%
隣接:リベリア、ギニア、マリ、ブルキナファソ、ガーナ
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)