総務省は2月1日、労働力調査(基本集計)2012年平均(速報)結果を公表した。労働力調査は、わが国における就業状態を毎月明らかにすることを目的としており、1946年から始まっている。今回は労働力調査に基づき、現下のわが国の就業の実態を概観してみたい。

完全失業率は4.3%と、
前年に比べて0.3%改善

 2012年の完全失業率は4.3%と、対前年比0.3%の改善となった。男女別にみると、男性が4.6%(0.3%改善)、女性が4.0%(0.2%改善)である。因みに、この10年来のピークは、過去最高をマークした2002年の5.4%、ボトムは2007年の3.9%となっている。

 これを国際比較すると、米国が8.1%、英国が8.1%、ドイツが5.9%、フランスが9.3%(英国、ドイツ、フランスは2011年)なので、わが国の就業状態は先進国の中では比較的良好であるといっていい。ただし、年齢階級別にみると、15歳~24歳が8.1%、次いで25歳~34歳が5.5%と、若年世代の失業率が高いという世界共通の問題を抱えている。

 次に、完全失業者の実数をみると、2012年は285万人となり、前年に比べて17万人の減少となった。うち、15歳~24歳が42万人(対前年2万人減少)、25歳~34歳が69万人(対前年5万人減少)を占めている。ただし、若年無業者(15歳~34歳の非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者)が63万人と、対前年比で2万人増加となっている点が気にかかる。

 285万人の完全失業者を求職理由別にみると、

 自発的な離職        101万人(35%)
 勤め先や事業の都合     70万人(25%)
 収入を得る必要が生じたから 39万人(14%)
 定年又は雇用契約の満了   32万人(11%)
 学卒未就職者        16万人(6%)

 となっている。就活で何かと騒がれている学卒未就職者は、対前年同数の16万人となったが、ここ10年来のピークは2003年の20万人、ボトムは2008年の11万人であった。また、完全失業者を世帯主との続柄別にみると、2人以上の世帯における世帯主が66万人、配偶者が38万人、その他の家族が134万人、単身世帯が45万人となっている。その他の家族の大半は、恐らく(成人した)子どもであろう。