「コミュニケーションは“お笑い”のスキルでもっとうまくいきます」。そう語るのは、元芸人でネタ作家の芝山大補氏だ。芸人300組以上のネタ制作に携わった経験を活かし、ビジネスパーソンから一般の方まで幅広い層に「コミュニケーションに活きる笑いのスキル」を教えている。そのノウハウをまとめた初の著書『おもろい話し方 ~芸人だけが知っているウケる会話の法則』が話題を集めている。「初対面でも会話が続く人がやっていること」「トークで相手を引き込むコツ」「相手の心に10倍響く“感想”の伝え方」「好かれるリアクションの極意」「すべらない話の作り方」「お笑いタイプ診断」など、元芸人ならではのコミュニケーションノウハウが満載の一冊だ。今回は、その芝山氏にコミュ力を高めるコツを聞いてみた。

【あなたはやってない?】空気の読めない人が「会話」でやりがちなこと3選Photo: Adobe Stock

「細かいこと」を訂正する

 今回は「空気が読めない人が会話でやってしまうこと」を3つ紹介したいと思います。自分がやっていないか、ぜひ確認してみてください。

 まず1つ目は「細かいことを訂正する」です。

【例】
A「こないだ鈴木がさ、渋谷で飲んでいるときに急に転んでさ」
B「いや、“渋谷”じゃなくて“新宿”な」

 ここでのBさんのように、会話の流れを止めてまで指摘することではないことを訂正してしまう人です。

 もちろん、その話にとって重要な間違いは訂正すべきです。しかし、本当にそれが話をさえぎってまですべき訂正かどうかは考えたほうがいいでしょう。

相手の意見や考えを「すぐに否定する」

 2つ目は「すぐに否定する」です。だれかの意見や考えに対して、すぐに反論して場の空気を悪くしてしまう人です。

【例】
A「芸人を使ったフェスをするのはどうでしょう?」
B「いや~、それは厳しいでしょ」

 もちろん、自分の考えを伝えることは大切です。しかし、「反論された相手の立場」や「場の空気」を考えることも同じくらい大切です。

 たとえ正論でも、すぐに否定されたら相手は気分を悪くしてしまいます。

 自分とは違う考えや意見だったとしても、一度は相手に理解を示しましょう。「なるほど、そんな考え方があるのか~」と感心を見せたり、「その気持ちはわかるなぁ」と一度肯定することが大切です。

 こうしたクッションを入れてから自分の意見を述べるだけで、相手からの印象はまったく変わってきます。

興味のある話題にしか反応しない

 3つ目は「興味のある話題にしか反応しない」です。興味のある話題にしか反応しない人がいると、場が盛り上がらず、まわりもその人に気を遣ってしまいます。

「空気が読める人」はどんな話題でも満遍なく質問をし、興味を示します。たとえ興味がなくても、興味があるフリをするものです。

 その積み重ねが相手に安心感を与え、お互いが話しやすい場をつくるのです。

芝山大補(しばやま・だいすけ)
ネタ作家
1986年兵庫県生まれ。2007年、NSC大阪校に入学。2009年、2011年には、それぞれ別のコンビでキングオブコント準決勝進出。2015年にはフワちゃんと「SF世紀宇宙の子」を結成。同コンビを解散後は、ネタ作家に転身。賞レースのファイナリスト、セミファイナリストなど、芸人300組以上のネタ制作に携わる。2019年からは、「笑いの力で人間関係に悩む人を救いたい」という想いから、お笑いの技術を言語化して伝える「笑わせ学」に取り組む。講義やイベントでの指導、YouTubeやTikTokでの活動を通じて、多くの人に芸人の技術を伝えている。発売から続々重版が決まっている初の著書『おもろい話し方』が絶賛発売中。