「モナコってどんな国？」2分で学ぶ国際社会

ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか？」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』（井田仁康・編著）は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

モナコってどんな国？

　モナコは、フランスの南東隅、地中海に面するコートダジュール地方にある世界で2番目に面積が小さい国です。

　モナコ市街区（宮殿・政庁の所在地）、ラ・コンダミーヌ（港湾地区）、モンテカルロ（行楽地区）、フォンヴェイユ（新興地区）の4地区で構成されています。

　政体はグリマルディ家が世襲する大公を元首とする立憲君主制です。

　2005年、フランス・モナコ友好協力条約の締結により、グリマルディ家に跡継ぎがいなくなっても公国は将来も存続することをフランスが保証することとなった代わりに、モナコの防衛は今後もフランス軍が行うことになりました。

　また、モナコの自主的外交における制限が緩和され、外国と国交を結ぶ際のフランスによる事前同意が不要になり、2006年には日本と正式に国交を結びました。

　観光が主産業のほか、金融業、化学・精密機器、バイオテクノロジーや医療研究などがあります。とくにカジノは、ヨーロッパの中でも大規模な施設を誇り、世界中から富裕層が訪れる高級リゾートとなっています。

　また自動車レースの最高峰F1グランプリは、モナコの市街地の道路を使用して行われ、周りの建物や地中海に浮かぶヨットから観戦する人もいます。

　日本の対モナコ貿易では、輸入品目の中で香料と化粧品類が45.9％（2019年）を占めています。

（本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。）