中国の巨大フィンテック企業アント・グループは、中国政府の規制強化という地獄からついに這い出したように見える。そのこと自体は中国のハイテクセクターに対する信頼感を高めるかもしれないが、投資家はそれでもこの業界の一変した状況にしっかりと対応する必要がある。規制強化と成長率の鈍化は取り締まり前と変わらず続くだろうが、中央政府の敵対心が薄れ、2023年半ばには中国の消費者セクターが回復することで、株価と収益の両方が上昇する可能性は非常に高いようにみられる。最近では、アントやその他の中国インターネット企業に対する規制に基づく弾圧が、少なくとも当面はもうすぐ収束するとみられる複数の兆候が出ている。アントが準備していた340億ドル(約4兆4000億円)規模の新規株式公開(IPO)が2020年後半の上場直前に突如中止されたことは、数年にわたる取り締まりが頂点に達した瞬間だった。
アント・グループの成長、終わったわけではない
2020年後半の高いバリュエーションは戻らなくても、同社とアリババの成長再開は可能
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