中国は、2年余りにわたってオーストラリアとの外交問題の中心になっていた同国産石炭の禁輸を事実上解除した。経済が低迷する中、中国政府が外交面での対立を避ける方向に傾きつつあることを示唆している。事情に詳しい関係者2人によると、中国・広東省の税関当局者らは12日、地元政府から豪州産石炭の通関を許可するよう通知を受け取った。中国国家発展改革委員会は約1週間前に大手国有企業に対し、豪州産石炭の輸入再開を許可した。広東省政府はコメントを求める取材にこれまでのところ返答していない。ただ、禁輸措置の解除によって石炭貿易が早期に回復する公算は小さいだろう。中国は禁輸による影響を緩和するとともに輸入需要を低減するため、石炭の国内生産を拡大した。ロシアによるウクライナ侵攻で石炭の供給ルートが変更されたため、豪州産石炭価格は大幅に上昇しており、中国の需要は低水準にとどまる可能性もある。一方、オーストラリアの一部の鉱山会社は警戒心を強め、中国をかつてのように信頼できるパートナーとは見ていない。
中国、豪州産石炭の禁輸を事実上解除 関係修復へ
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