米製薬大手アムジェンによる280億ドル(直近レートで約3兆5800億円)でのホライゾン・セラピューティクス買収を投資家が知ったのは昨年12月のことだ。だが、大型案件のヒントは数カ月前にも浮上していた。内部関係者がちょうど持ち株の売却を停止したタイミングだ。幹部や取締役による持ち株の売却停止は、ホライゾンだけでなく、足元で合併・買収(M&A)に関与していた他の大手企業でも見られた動きだ。そのため、大型案件の匂いを嗅ぎつけようと、一部のヘッジファンドなどは内部関係者の動向に目を光らせており、その過程で株価が大きく動くことがある。企業関係者の売買動向を追跡するベリティデータの調査責任者、ベン・シルバーマン氏は「定期的に持ち株を売却している内部関係者の動きが止まれば(中略)有力な手掛かりとなり、買収交渉を進めていると考えてもいいだろう」と述べる。