終電ギリギリまで残業しているのに仕事が終わらない人と、必ず定時で帰るのに成績No.1の人。この差はいったい何だろう? 努力が成果に反映されない根本的な原因はどこにあるのだろうか? そんなビジネスパーソンの悩みを本質的に解決してくれるのが大注目の新刊『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』だ。
著者は、東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の北の達人コーポレーション(東証プライム上場)木下勝寿社長。
本書 の発売を記念し、ビジネスパーソン「あるある」全20の悩みをぶつける特別企画がスタート。経営の最前線で20年以上、成果を上げられる人と上げられない人の差を徹底研究してきた木下社長にロングインタビューを実施。第14回目は、「部下の頻発ミスを一瞬で減らす上司の声がけ」について、教えてもらった。(構成・川代紗生)

「社員のミス」を引き出してしまう上司の言葉

ビジネスパーソンが自滅する根本的な理由

──管理職やリーダー職のビジネスパーソンが、仕事で一番気をつけるべきことは何でしょうか?

木下勝寿(以下、木下):私は、ビジネスパーソンがキャリアで致命的な失敗をする要因の9割は「慢心」だと思っています。

 社会人になりたての頃は、素直に仕事に取り組んでいたはずなのに、成果を出したり、昇進したりした途端、「慢心」に陥る。そんな人が大勢います。

 以前、ある人を管理職にしたら、別人のように変わったことがありました。

 それまでは丁寧に仕事をこなす人だったのに、管理職になった途端、「俺は管理職なんだからこんな細かい仕事をする必要はない」と部下に仕事を丸投げするようになったり、「部下にカッコ悪いところを見せられない」という気持ちが強すぎて失敗を認められなくなったり。

 リーダーになっても、まわりからチヤホヤされて、「自分はすごいんだ」と妙な慢心が生まれないように気をつけたいもの。

 社会人として何年キャリアを積んでも、ポジションが上がっても、ずっと謙虚で居続けることは案外、難しい。

 しかし、逆にいえば、慢心さえしなければ、まわりが勝手に自滅してくれるので、自分だけは謙虚に仕事し続けようと思っていればいいのです。

「部下のミス」を引き出すNGワード

──「謙虚なリーダー」として、部下や同僚をよい方向に導くために木下さんが意識していることはありますか?

木下:一つは、本書でも触れた、「肯定的イメージコントロールの法則」です。

 人間は、頭に思い浮かべたイメージに大きく左右されてしまうものです。

 たとえば、「絶対に、真っ赤なカラスをイメージしないでください」と言われると、どうしても「真っ赤なカラス」が頭の中に浮かんできてしまいますよね。

──そうですね。言葉を聞いた瞬間に、勝手にイメージが出てきてしまいます。

木下:イメージは、「文章の意味」ではなく「単語」からつくられます。

 これは仕事でも同じ。「ミスするな!」と言われると、単語から「ミスする自分」をイメージしてしまい、体が反応して余計な失敗をしてしまう。

 だから、ケアレスミスが多い人には、次のように意識してみるのです。

「ミスをするな」ではなく「丁寧にチェックしてね」。
「遅れるな」ではなく「時間内に終えよう」。
「黙ったまま会議に参加するな」ではなく「会議では必ず発言しよう」。

 このように、常に「肯定文」に置き換えて伝えるように心がけるとうまくいきます。

マネジメントがうまくいかない……
見直すべきチェック項目とは?

──ちょっとした言い換えのコツで、印象が大きく変わるものですね。

木下:根拠の有無にかかわらず、「自分はできる」というポジティブなイメージを持っている人は、何かにつまずいても、「おかしいな。もう一回やってみよう」と行動し続けることができます。

 その一方、「絶対に失敗したくない」と考えている人は、失敗する自分を常にイメージしているので、失敗しやすい行動を無意識のうちに取ってしまいがちです。

 部下や同僚を導くには、常に「プラスのイメージ」を持ってもらうこと。

 これは、管理職になったときのコミュニケーションのポイントとして、意識しておきたいですね。

 管理職やリーダーとしてのあり方に悩んでいる人も多いと思います。

時間最短化、成果最大化の法則』で詳しく触れたので、何かヒントになれば嬉しいです。

(本稿は、『時間最短化、成果最大化の法則』に掲載されたものをベースに、本には掲載できなかったノウハウを著者インタビューをもとに再構成したものです)